top of page

For an Oath -Ⅱ

     『琥珀の盾』を中心に、同志が集められる。

      真実を知る旅人と、アイカ、エドワードの道が重なり始める。@1770年

 

 

前(Ⅰ-1頁) / これまでのこと / 次(Ⅲ-1頁)

 

For an Oath - Ⅱ( 1 ​/ 2 ​/ 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 

 

 雨にまぎれて、大きな白い鳥は城を見下ろした。

 半刻ほど前、確かにリューノンの気配が強くなったのだ。何かが起こった。

 オルトとシュラインはそれからずっと城の周囲を飛んでいるが、もう動きはなかった。

 やがて、何かを見つけて、白い鳥は滑るように下降していった。

 穏やかな丘だった。オルトと悪魔シュラインには、禍々しい力の残りかすが視えた。

 ふわり、と、ぬかるんだ地面の手前で羽ばたくと、白い鳥は白いエルフになり、地面に降り立った。最後まで翼だったものも、縮んで腕になる。

 オルトはきょろきょろと辺りを見回し、丘を下ったところの木の根元に目を留めた。

 魔法で滑るように飛んで近づく。

 木の根元には、男が倒れていた。

 オルトは男に手をかざすと、ぶつぶつと詠唱する。一分も続いただろうか、その後、オルトは男の両手をとった。傍目には何をしているのか分からないが、力を分け与える、魔法とは違う技だった。あまり知られていない技で、オルトは自分以外にこれを使うのをほとんど見たことがない。

 ふらり、と疲労した様子でオルトは立ち上がった。

 再び、2人は――オルトの体は――白い鳥の姿となる。

 《浮遊》の魔法でその人を背に乗せ、白い鳥は静かに飛び立った。

 身を包むほのかな白い光のゆらめきが、炎よりも熱いエネルギーをもっているかのように立ち上っていた。

 

 

 普段なら、頼みもしないデザートメニューを眺めているのに、今日のアイカは違った。

 混み始めた食堂、早めの昼食を食べ終わってしばらく、アイカは真剣な面持ちで考え込んでいた。

 レイキはコーヒーを飲み終えて、おい、とアイカに声をかける。

「緊張しすぎだ」

 アイカは口を尖らせた。

「するよ。明日の話し合い、エルミオだけじゃないんだから。『緋炎の月』と、『旋風』のロードがいらっしゃるんだよ?」

「おまえだって、『空の鈴』ロードだろ」

「そうじゃなくて…ロード・クレィニァは、もう協力してくれるらしいけど、ロード・アルルは…『旋風』は一緒に戦ってくれるのかな、って」

 ああ、とレイキは納得する。

「やっと連絡ついた、ってくらいだからな…」

「国外にいたらしいしね。『旋風』って、大きな、討伐とか、依頼とか、報酬がないと活動しないし…。今回のことは、戦わないとどうしようもないけど、誰に依頼されたわけでもないから…。

 でも『旋風』の伝手は欲しいよね」

 メア国を中心に、他国でもそれなりの知名度のある『旋風』が声をかければ、冒険者は集まりやすいだろう。

「関係ないが、よくあんな形態で同盟やってるよな」

「ほんと。ロード・アルルの人望かなあ? それとも、必ず取り分があるから? なんであんな活動ができるんだろ?」

 アイカは不思議そうに首をひねった。駆け出しロードのアイカには謎でしかない。

 『旋風』は二、三百年の歴史をもつ同盟だが、そのメンバーはいつでも5,6人程度だ。

 大きな依頼をこなすときだけ、冒険者を公募する。レベル制限もあり、人数制限もある。ただし、最低取り分も保証される。

「会ったら、何かわかるかもしれないね」

「どうだかな。入ってみるのが一番手っ取り早そうだが」

「えー? でも多分、私、そりが合わない気がする…」

 アイカは少し小声になって言った。

 『旋風』は必ず、冒険者への報酬を約束する。つまり、必ず依頼人からしっかり貰うものは貰う。

 別にそれは悪いことではない。むしろ当然のことなのだが、それが無ければ活動しない、という極端さが、アイカの中で引っかかっているのだった。

「ま、どちらにしろ明日、どんなやつか拝めるだろ」

「そうだね。協力してくれるといいな、『旋風』」

「してもらわなきゃ困る。戦力不足だ」

「相手が、メア城だしね…魔法使いを守れる戦力と、契約者や、ウィザード・ルシェンを倒せる戦力と…」

「悪魔を倒せないとな。ほら、そろそろ勧誘行くぞ」

 

 先に立ち上がったレイキに続いて、アイカもぱっと立ち上がる。

「うん。あと3人くらいは、今日私たちが集めないとね」

 二人は食堂を出る。

 その直後、冒険者らしき格好の二人とすれ違い、アイカは思わず追った。レイキは少し離れて様子を見守る。

「すみません」

 アイカが声をかける。

 剣士らしき男性と、魔法使いらしき女性だった。

「噂をご存知ですか」

 アイカは声をかけながら、これまでとは違う手応えを感じた。

 女性は内心で何かにハッと気づいたようだった。

 剣士の男性は、威厳すら感じる、力のある目をしていた。噂、と聞いて、さらにその表情が真剣なものとなる。

「ああ」

 短く答えた男性。言葉はそれで十分だった。

「私たちと一緒に戦ってくださいませんか。せめて、少しお時間頂けませんか」

 この人は来る、アイカは確信していた。

 だが男性が答える前に、女性が口を挟む。

「失礼。私はアイリーンと申します。貴方のお名前を伺ってもよろしいですか?」

 なんでだろう、と思いつつ、アイカは答える。

「『空の鈴』同盟ロード、アイカです。駆け出しですが…」

 男性が驚いたような表情で、アイリーンを振り返った。それからまたアイカを見て、何か言葉を言いかけて、呑み込んだ。

 アイリーンは微笑んだ。

「共に戦いたいと思います。アイカさんは、『琥珀の盾』のロード・エルミオともお知り合いでしょうか? 現実的に考えて、あの方とも協力できると良いと思うのですが」

 アイカは二人の様子に疑問を持ちつつ、アイリーンに頷く。

「それも含めて、お話したいと思います。一緒に来ていただいても?」

「もちろん。…ああ、少々お待ちくださいね」

 アイリーンはアイカの前でテレポートリングを装備する。逃げ道を確保したのだ。

「お許し下さい、今は物騒なものですので」

 アイリーンの潔さと、本当は信用していることを示す行動に、アイカは好感を覚える。

 信じていないなら、わざわざ目の前で装備しなければいい。

 アイカは微笑んだ。

「いえ。では、付いて来てください」

 アイカは二人を先導し、その背後から少し離れてレイキが続いた。

 『琥珀の盾』の拠点のひとつ、ティラの待つ小さな家へ、アイカたちは入る。

 

 家の中でいい香りがしていた。

「あら、ちょうどいいところに帰ってきましたね、皆さん」

 ティラが紅茶を淹れていた。甘すぎず、上品な香りがほのかに漂う。

遅れて、レイキも入ってきた。おかえり、とアイカは声をかけた。

 ティラは新しくやってきた2人を順番に見て、微笑む。

「どうぞ、座ってください。ちょっと待ってくださいね」

 ティラがカップを出すなどする間に、アイカとレイキと一緒に改めて自己紹介をした。

 紅茶がテーブルに並び、ティラが自己紹介をし、そしてアイリーンが名乗る。

 剣士の男性は、アイカに視線を注いだまま、名乗った。

「私は、エドワード」

 その名がメアの王子と同じ名前だったので、3人はどきりとした。

 どきりとする原因は、名前以外にもあった。

 エドワードが、真剣で、力強い目をしていて、その上、姿勢良く座り、威厳を感じられる…滲み出る何かを持っているからだった。

 だが、確信はできない…ティラとレイキはそう思ったのに、アイカは驚きをもって真顔で問いかけた。

 

「エドワード王子…で、いらっしゃいますか?」

 驚いたことに、エドワードはどこか悲しげな微笑を浮かべて言った。

「貴女に隠す必要など、ありもしないな。

 その通り、私はエルディンとアルフェの息子、エドワードだ。無様と知りながらも、我が使命を果たすため逃げ延び、今日、幸運にも貴方にお会いすることができた」

 レイキとティラは驚きつつも半信半疑でその言葉を受け入れた。

 アイカだけは、なぜか安心したように、思わず笑顔をみせた。

 エドワードはさらに続けた。

「剣技はできるが、実戦経験はない。だが、どうか、共に戦わせてほしい…共に戦って頂きたい。

 王妃という立場でありながら、悪魔と契約を交わした我が母と、悪魔を討たねば、わがメア国に未来はない。だが、私の力では足りない…あまりにも無力だ。不躾ながら、貴方方のお力を拝借したい…」

「無様でも、無力でもありません」

 アイカはエドワードに力強く言った。

「生きていて下さって、本当に良かったです。一緒に戦いましょう。

 明日、『琥珀の盾』ロード・エルミオに会いに行きましょう。エルミオにはどうしても移動できない先約があるので、早朝にしか時間が取れないのですが、よろしいですか?」

「具体的には9時以前の時間になります」

 ティラが補足した。その肯定を受け取り、アイカは内心ほっとする。強く確信して言ったことだったが、ティラに止められては何もできない。ティラが止めるということは、相手が悪魔の手先であるか、何か都合の悪いことがある場合だ。

 エドワードはアイカたちの言葉を心に染み込ませるかのようにゆっくり頷いた。

「ありがとう。感謝してもしきれない…ありがとう…」

 

 

 『緋炎の月』ロード・クレィニァと話し合った翌日、オルトがその旅人を連れて帰った。

 ぐったりと気を失っている男を、魔法の補助がありつつも、身長差のために半分引きずりながら帰還した。

「ただいま。重要なこと知ってそうな新メンバー見つけた。しばらく付きっきりだから、色々手伝えないけど、許して、エルミオ。

 この部屋もらうね」

 宣言して、オルトは堂々と家主の個室を占拠した。玄関から一番近かったから仕方がない。

 その拠点は、エルミオと、家主である剣士のウォーレスも使っていた。

「おい、あれ、」

 オルトが占拠した部屋のドアが閉まるまでに、ウォーレスは思わず言う。オルトが連れて帰った人は、オルトだけでは手に負えない、と直感したのだった。

 エルミオはすぐに立ち上がった。

「治療師呼んでくる」

「俺が行く、お前は目立つ」

 

 宣言通りにオルトは部屋にこもった。最初の2日は治療師が通った。

 3日してから、オルトはエルミオたちに言った。

「一応目、覚めたよ。でも、まだ絶対に会わないで。《不信》呪いが悪化するから」

 エルミオは頷き、ウォーレスは質問する。

「2つの意味で、あいつ大丈夫か? 誰なんだ?」

「あ、言ってなかったっけ」

 看病疲れだろう、オルトはどこかぼんやりしたまま言った。

「多分、リューノンとやり合ったんだ」

 

 

 後から知ったことだが、リーフが、目が覚めた、と自覚したのは、あれから五日経ってからだった。

 どこだか分からないベッドの上で、幼いエルフが看病してくれていた。

 目覚めたり眠ったり、曖昧な記憶の中で、そのエルフのオパールのような眼が印象的だった。不思議な色だったから、もしかしたら夢を見ているのか、死んでどこか妙なところへ来たのかと思った。

「オレはオルトっていうんだけど、あなたは?」

 エルフが自分に話しかけているのだと分かったのが、5日経ったその日だった。だからその日初めて、リーフは答えた。

「…リーフ」

 声が掠れた。いったい何日寝ていたのか、リーフはふと思う。

 すると全てが蘇った。

 ばっと身を起こしてオルトに詰め寄った。

「ルナは! ダークエルフの女性がいなかったか!?」

 リーフの剣幕にオルトは一瞬おびえたが、ベッドサイドから離れなかった。必死なリーフの目をちゃんと見たまま、何も言わずにリーフの手を握る。

 ぐちゃぐちゃだった気持ちが、不思議と収まっていくのをリーフは感じた。

 

「リーフしかいなかった」

 オルトはそう言った。

 リーフの体の力が、すとんっと抜けていった。

(ああ、そうだろう…それはそうだろ…)

 そのまま、オルトに促されるままに横になる。

 オレたちは、とオルト。

「メア城の悪魔を倒すために、今、活動してる。リーフは、あいつと戦ったの?」

 何の話だ、と少しの間考えて、それから理解する。

 黒い影のような悪魔。剣を振ったが、何も為せなかった。

(―――戦う?)

 リーフは空っぽになったような気持ちで、その言葉を眺める。

(戦う? ――戦ったのか? あれは、戦い、と呼べるような――)

「違う…」

 呟いて、リーフは右腕で目を覆った。

「――戦えなかった…」

 空っぽの心が、折り紙の箱のように、音を立てて潰れた。

(ルナはずっと戦っていたのに…――)

 捕らわれたあの時、ルナティアと影の会話を聞いて、リーフは悟っていた。

 ルナティアも、ルシェンも、なぜ誰かに助けを求めなかったのか。助けを求められなかったのか。あんなにも1人で行くことにこだわっていたのか。ルナティアが語ったことも、本当だろう。だが、それだけではなかった。2人共、助けを求める前に、誰かを人質にされたのだ。それは、エドワードや、エルナや、もしかしたらルナティアやルシェン自身も、お互いにお互いの人質だったのかもしれない。

 最後まで、リーフは分かっていなかったのだ。ルナティアは、話してくれなかった――話せなかった。

(ごめん…ごめん…)

 長い沈黙が続いた。

 リーフは目を覆ったまま。オルトはこれまでと変わらずベッドサイドの椅子に座って。

 やがてリーフが涙を拭い出す。オルトは何気なくタオルを渡すと、「待っててね」と言って部屋を出た。一時、扉から外の光が入った。

 

 そこで初めて、リーフは部屋が落ち着く薄暗さに包まれていることに気がつく。部屋の中、唯一の明りはベッドサイドのテーブルに置かれた《照らす光》の燭台だった。ロウソクの火のような色で、ふわふわと小さく揺れている。

(ここはどこだ…あれからどれくらい経ったんだ…? …ルナは…どうなってしまったのだろう…あの、不思議な目の…オルトって人は何なんだろう…)

 リーフは揺れる光を見つめながら、さっきよりはずっと冷静に考えた。

そうするうちに、『白い剣』のことに思い至る。すると、テーブルの足元に立てかけられた『白い剣』が目に入った。さっきまでは意識の外だったから見えていなかった――恐らく、剣を包む魔法の布のせいだ。

「リーフ、お待たせ」

 外の光と一緒に、オルトが戻ってきた。湯気の立つカップをふたつ持ちながら、器用に扉を動かして部屋へ入る。

 リーフは虚ろな目でオルトのほうを見やる。聞きたいことはたくさんある。だが、一人になりたかった。誰にも会いたくなかった。

 

 オルトは、少し高めだが柔らかい声で話した。

「あったかはちみつジュース。お湯ではちみつ溶いただけなんだけどねー。はい、リーフの。起きれる?」

 返事をする前に、リーフは起き上がり…左肩を庇わなくていいことに気がついた。

 オルトはリーフにカップを渡す…半ば強引に。

「まだ質問は待ってね。これから、知ってることは何でも応えるから。まずは、はいっ」

 暖かい…また心が落ち着く。一口飲むと、ほんのり甘い香りと、ぬくもりが広がった。

 

 ふーふーとカップを吹くオルトに、リーフは訊ねた。

「もう、質問してもいいでしょうか?」

「あ、うん、いいよ」

「オルトさんが助けてくださったんですね?」

「うーん、オレとか。治療師とか、オレの友達とか、だよー」

 ああそうか、とリーフは思い至る。さっきオルトは、メア城の悪魔を倒すために活動している、と言った。そんな人たちに助けられたのだ…そんな人たちがいたから、リーフは見つけてもらえたのだ。

 そういえば、一度勧誘された。断ったが。リーフにはあの時、戦う理由がなかった。

(あの時勧誘してきた、あの女性とも仲間なのだろうか…)

 今は戦う理由が…戦わなければならない理由があった。

 ルナティアや、ルシェン、アルフェ、エルディン、エルナ…彼らの真実を知っているのは、リーフだけだろう。

 きっとそのために生き延びたのだ――リーフは心からそう思った。まだ行動しなけらばならない。沈んでいる暇はない。生き延びた今、これからが、リーフのできることだ。

 

「メア城にいる悪魔を倒す準備をしているんですね?」

 リーフの言葉にオルトは頷いた。

「戦力を集めてる途中だよ」

「僕もその戦力の中に入れてください」

 オルトはちょっと驚いた。二言目にそう言われるとは思っていなかったのだ。

 リーフは続けた。続けなければ、二度と動けない気がしていた。

「恐らく僕しか知らない情報があります…情報というか、真実というか…。聞いて頂けますか?」

 ええと、とオルトは少し考える。

 誰かと対話するような間のあと、オルトは頷く。

「うん。あのね、今度オレたちのロードにも会って、正式にメンバーになってね。

 今は、オレに話してもらってもいい?」

 リーフは頷き、ルナティアから受け継いだ真実を語り始めた。

 それを聞いたオルトが、涙しながら「ごめんなさい」と謝った理由を、リーフはまだ知らない。

 

 

 

 その三日後に、『琥珀の盾』、『緋炎の月』、『旋風』、『空の鈴』のロードが集う話し合いが催される予定となった。

 リーフはオルトに外出を止められていた。

「八日過ぎないと悪魔の呪いは怖いから」だそうだ。リーフにはよくわからなかったが、腕のいい魔法使いが真剣にそう言うので、従った。誰もいないときにだけ、部屋の外に出してもらえた。一人でいられるのはありがたかった。時に、もどかしかったが。

「明日エルミオに会おう」

 オルトの所属する同盟がロード・エルミオ率いる『琥珀の盾』であること、そして、メア城の悪魔に対抗する勢力のリーダーがエルミオであることは、ここ数日の会話から察していた。

「でも話し合いがあるから、それ以外の時間でね」

「僕はいつでも大丈夫ですが…話し合いの前には、お会いできませんか?」

 相手の姿を知ることは役立つはずだ。できれば、ルナティアの話を、オルト経由ではなく直接伝えておきたかった。ここ数日、オルトと話してリーフは分かったのだ――オルトは、良いウィザードで命の恩人なのだが、ただ、話を正確に伝える力はあまり高くない。

 オルトは、うーん、と難しい顔をする。

「話し合いの前は、アイカたちが来るから…でも、八日過ぎて日が昇るのは待ちたいし…」

 オルトは悩んで、誰かと話すような間の後、頷いた。

「少しなら時間取れるかも知れないから、明日、割り込みしてみるね」

 割り込み、と言われるとなんだか悪い気がする。オルトは何も気づかない風でにこっと笑ったので、リーフもただ、お願いします、とだけ返した。

 ようやく、動くことができる。明日が待ち遠しかった。

 

 

For an Oath- Ⅱ( 1 ​/ 2 ​/ 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 

 

前(Ⅰ-1頁) / これまでのこと / 次(Ⅲ-1頁)

 

目次に戻る

bottom of page