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項目:

 エルミオ / 『旋風』の初代メンバー紹介 / 白い剣の持ち主順 / R・E・Asteriskの人物について

 

◆エルミオ →関連:「For an Oath」「R・E・Asterisk」

 1151生

 種族:ドール

  

 「歴史の本」より

 ”~語りかけたとき、マナエナディは底なしの孤独感を感じた。

 マナエナディは樹の友人になった。

 そして、樹と常に繋がっているドールを創り、2人、世に送り出した。旅すること、仲間を惹きつける性質をもつドールだ。はじまりの樹は、ドールを通して世界を歩くことができるようになった。お礼にはじまりの樹は、マナエナディと、その弟子ルナフィナディの持っていたネックレスに魔法をかけた。友達を守る、樹の意思が宿ったネックレスは、後にマナのネックレスと呼ばれるようになる。”

 

 一人目のドールは、ラック(本編未登場)。FaOにて、ティラが酒場で披露したあの歌詞「白き髪」「紅い瞳」の少年は、ラックのこと。

 「For an Oath」Ⅰより

”「~旅先で出会った…少年の歌です。彼も旅をしていますから、またどこかで出会うかもしれないのですが、ただ…」

 ティラは一時、口にするのを躊躇った。だが微笑んだ。

「あの少年は、記憶することができません。必ず、はじめまして、なんですよ。~」”

 

 二人目のドールは、エルミオ。

  記憶の欠如は改善された。それどころか、極端に記憶力が良くなった(全てを覚えていると思われる)。

 

 いずれも外見の特徴はヒューマン~ディルに最も近い(丸耳、瞳は普通、肌色は白くも黒くもない)。

 また、痛みに非常に鈍い。

 術者のマナエナディは、はじまりの樹の力も借りて魔法を行いドールを創造した。ほぼ完全な人に見える究極のドールだが、所々人とは違う。”創造召喚”ではなく”創造”であり、術者がいなくても独立した命として続く。

 

 二人共、自分がドールであることは知らない。また、種族を知ることに関心がない。

 

 

◆『旋風』の初代メンバー紹介 →関連:「旋風」「R・E・Asterisk」

 FaO時(1770年)メンバー

  アルル(エルフ)、ケイン(ディル)、スーラ(エルフ)、シャルア(ダークエルフ)、クレイン(ダークヒューマン)

 

 初代メンバー(1510年)

  アルル(エルフ)、ケイン(ディル)、スーラ(エルフ) ←FaOでも現役

  イリエン(ミユ)、クラッド(ゴブリン)、レイフ(エルフ・ミユ)

 

イリエン(ミユ・フルーティア・カントレア・ソプリ・イリェンティルーテ)1485生-15**没

 性別:女性  種族:ミユ 職業:冒険者(音使い)/サブで弓使い

 登場:旋風?

 非常に腕のいい音使い。サブでヴォイス(メッゾソプリ)。スーラの少し前くらいからいた初期メンバー。弓可能。音使いに理解のないアルルを見返した。そんなに喋るほうじゃないけど、プライドは高い。行動で示す。

 

クラッド 1477生-15**没(戦死)

 性別:男性  種族:ゴブリン  職業:冒険者(まさかの重剣士)

 登場:旋風?

 剣がなくても近距離戦可能。素早い。女性としてのアルルには全く興味がないが、強いからすげえと思う。前衛できないくせに、そもそも敵の前衛を寄せ付けないパーティプレイがすげえ。でもタイマンならアルルには負ける気がしない。でもそんなことより、このパーティプレイはすげえと思う(自分含む)。アルルをつぶしたくない。

 

レイフ(1510頃:ミユ・ヴィア・ラフォール・ヴァス・レイフェルダ→1600頃:ミユ・ヴィア・カントレア・ヴァス・レイフェルダ)※位が上がった。 1392生

 性別:男性  種族:ミユハーフエルフ  職業:冒険者(音使い)/サブで双剣士

 登場:旋風?、R・E・Asterisk?

 1696年寸前に『旋風』から実質離脱した。

 魅せる魔法と、風の魔法が大得意。イケメン女垂らし枠。声がイケボで性質が悪い。アルルのことも狙ったが無理だった。エルフ・ヒューマン戦争で、ミユの故郷を守りに『西』へ帰ったきり、戻らない。ちなみに多分生きてます※エルフ・ミユの寿命はMAX550平均500。きっとかっこよくドラマチックにピンチに駆けつけることでしょう(笑)

 

 

 

◆白い剣の持ち主順 →関連:「For an Oath」「R・E・Asterisk」「エナ:師匠のこと」

 「歴史の本」注釈より

*裏歴史:ヒューマンの騎士が命の実を取る前、白い剣と、白い弓が、ヒューマンの騎士と、エルフの弓士にもたらされていた。それは”望みの剣”と”望みの弓”。悪魔トゥーラが創り出した武具。まだ何にも染まっていない武具は、どんな望みをも映し、叶える…。主を変え旅するうちに、武具は望みに染まっていく。それは、主たちの意思。武具は、人が人に似るように、マナが魔法となるように、性格を変えてゆく――。

 

 白い剣の主

 ヒューマンの騎士ルード→その弟子(1696~1700の間)→その飼い犬喋るゴールデンレトリバーのルード(1700年以前)→変わり者のエルフ族・セレネ(1700以降~1740以前)→メア国の王族エルディン(1740以前~1755?)→旅人(少年)リーフ(1755?~1806)→冒険者・剣士エナ(1806~)→時期未定、展開未定*エドワードの息子・メア国王族のハル

 

 ルード(犬)も、セレネも、エルフとヒューマンが戦争していた時期に、外れ者が集まった里にいた。そこには堕天使シルファーも、ハーフエルフの幼い双子アーシェとメルも、誰にも変身できない気の弱いドッペルゲンガー(※魔物です)も、武闘派フェアリーもいた。

 ルード(犬)は主の帰りを待って剣を預かり続けたが、とうとうルード(犬)が生きているうちには帰ってこなかった。セレネはルード(犬)から剣を受け継いだ。ルード(犬)の主はそもそも、剣を”預ける”ではなく”あげる”つもりでルード(犬)に託していた。帰って来れるなんて思っていなかった――ルード(犬)はそうとわかっていたが、最後までそれを認めたくなかっただけだった。

 セレネは逃げるように、シルファー、アーシェ、メルと一緒に『北』へ旅立った。そして、エルディンに出会う。

 

 恐らく最後の持ち主であるハルは、悪魔トゥーラの作った白い剣で以て、悪魔トゥーラを討ちとる(予定)。

 

◆R・E・Asteriskの人物について

 ※主に、詳細な過去話を書いています。

 ※レン、ニオは特に重大なネタバレを含みます※

レン(エステル・フュリオス・カルミオレ・リシアード)

 種族:ディル/エルフ

 父親はディル族カルミオレ家のルイス。母親は水の精霊の領域と重なる島に住まうエルフ族のセシア。セシアはその島の一族の王を守護する騎士(魔法使い)。ルイスは冒険者(剣士※魔法が使えることは前提なのであえて剣士)。婿入りし、自らも守護騎士となる。

 もともと魔力が高めで生まれ、きちんとコントロールを学ぶべく幼い頃から両親や周囲の魔法使いから魔法を教わる。

 島の予言者レシフェに、10歳になるまでにエステルの力を狙う厄災が訪れると予言され、ルイスは半分冒険者業を続けるような形で「魔力を減らす方法」「悪魔を拒む魔法」を探し続ける(厄災、を、悪魔、と解釈した)。

 ところが9歳(1802)の頃に厄災が訪れる。強大な悪魔はエルフの国を半壊させるが、守護騎士などが討伐するに至った。狙われたエステルは混乱の最中悪魔に遭遇するが、恐怖で魔法を大暴走させ、結果的にそれが討伐の一端を担った。

 その後、ルイスとともに冒険者をしていたラーカスという男に引き取られる(予言者レシフェからラーカスが引き取る。エステルを守るために、故郷エルフの国ではエステルの一家は全員死亡の扱い)。ラーカスとレンは面識があり、レンは父親の友人であるラーカスを信頼していた。ラーカスは数年間、事実を告げることはせず、レンを冒険者として育てた。

 また、厄災が来た際のレンの魔法の暴走は、非常に威力が大きかった。このとき、生まれ持った魔力ではない新たな力をレンに与えた存在がいたのだが、本人も、魔法に疎いラーカスも、気が付くことはなかった。

 15歳頃(1808)までにはラーカスだけでなく他の冒険者と短期パーティを組んで依頼をこなすなど、冒険者としてそれなりに独立。長距離の旅などは、少なくとも個人ではしない。

 魔力はなぜか、通常ではありえない早さで大きくなっており、コントロールの悪い魔法使いに見られがちになった。自分の大きすぎる魔力は暴走すれば危険だと分かっていたため、長期的にパーティを組むことはせず、また、魔力のことや事情を話すことはしなかった。

 また、自分の魔力をどうにかするほうほうを探す過程で、もともとの魔法好きも手伝い、魔法マニアに成長する。

 独立し始めた頃、ラーカスから『空の鈴』同盟を勧められる。初心者~中級者の学び舎のような同盟で、経験豊富な冒険者から教えてもらうこともできる。レベルが上がれば何とでも言って抜けることができるとはいえ、いくらか長い付き合いにはなるはずだった。レンは魔力のことを話すのが嫌で躊躇ったが、ラーカスが上手に伝えてくれていた。嘘はなく、ただし怖がられるようなほどではない、絶妙な伝え方をしたようだった。『空の鈴』ロード・アイカは魔力のことをある程度知った上でレンを受け入れてくれた――と、レンは思ったが、実際には、ロード・アイカはラーカスから魔力について、危険について十分に聞いていて、その上で受け入れていた。

 その後、16歳頃(1809)、エナと出会い成り行きで短期パーティを組む。

 短期のつもりが、ずるずると長くなる。エナは悪魔の呪いを受けており、それを抑えながら生活している。抑える方法のひとつである魔法がとても長く古代語を使った詠唱であることや、その魔法を編み出したのが『琥珀の盾』の魔法使いオルトであったことに興奮し、思わずオルトに会ったり魔法を習ったり実際に使ってみたり、とはいえ生活があるので依頼をこなしたりするうちに、いつの間にか、REA開始時期までエナとずっとパーティを組んでいた。

 そして「R・E・Asterisk」に続く。

 ちなみに名前の由来はestel(カタルーニャ語、アステル。「星」の意)。と後付けしましたが、ある物語で架空言語にて「希望」の意味で「エステル」という男性名が出てきたことからです。

 ※REA本編中で明らかになりますが、厄災が来たときに力を与えた存在は、はじまりの樹。与えた力というのは、本来別の用途のはずだったマナを集める性質のある特殊なもの。これは、本来、『星の砂漠』に関連するもの。昔、はじまりの樹が空の天井を破った際落ちてきてしまったリリエンタール《星人》を宙へ帰し、空の天井の穴を塞ぐためのものだった。​

 仕事をしていた天使族たちは「!?」。

 天使「樹さん。アレ、あの力、どこやったんですか」

 樹「(樹なので喋らん)」

 天使「どこやったんですか…(詰んだ…)」

 樹「…(ごめんでも友達死にそうだったから)(何も喋らん)」

 天使「まあ、探しますけどね…。もし誰かに与えたとしてもあなたの一存だから変な人にはあげてないでしょ多分きっと。せいぜい500年で、魔力として還ってくるでしょう…。…リリエンタールさぁんごめんなさい」

 星人「(すごく大きな意思なので特に反応はない)」

  …という感じです。

 ※ラーカスはダークエルフのような外見の、セル族。ちまちまオート予知をする、完全創造召喚者。

エナ(オルファ・デューク・シェルギア)

 種族:ダークエルフ(本人も知らないが、実際にはダークエルフ/セル)

 ヴァース村出身。母親はダークエルフ族、フィアーナ。元冒険者らしい。父親は自称ダークエルフ族のセル族、ラーカス。現役冒険者で、魔法に疎い純前衛の大男。エナはわりと母似。

 8歳になる頃には、冒険者業で家を空けがちな父親が嫌いになってきた。母親は父親のことを誇らしげにするが、たまに寂しそうなこともあった。エナはそれを感じ取っていた。

 やがて、同じ冒険者でも、父親より強くて、父親くらいには稼げて、家をこんなに空けない・家のことを一番にする、そんな、父親とは違う種類の冒険者になってやろうと決める。

 11の頃には独学で剣を学んでいた。色々あって父親の友人であるルイスに出会い、冒険者になるためのことを教えてもらう。剣術や魔法の基本知識などを学び、ルイスの持ってきた歴史や古代語の本などで勉強する。13で冒険者になる(ヒトの冒険者証・マナの冒険者証ともに、ルイスに伴われて試験会場へ行き、合格)。

 14になってすぐ、初めてパーティを組む。年齢の近いパーティで、それぞれ家のことなどもあるので、再集合場所を決めて一時自由行動とすることができるパーティだった。家を空け気味になったものの、父親のようにはなるまいと、最大限帰ってきたし、そもそも初心者パーティなので、あまり遠出や、長期の依頼に行くことは少なく、父親よりずっとこまめに帰ってくることができた。

 15の頃、家に帰ると、父親がいて母親を看取っていた。母親は病気を隠していた。父親はどうしてかそれを察知して帰ってきていた。

 わけのわからない怒りがあり、父親に当たってしった。なにもかも後悔して自己嫌悪し、父親と同じことをやっていたのかとも思った。母親に寂しい思いをさせたかと。

 しばらく家にいて、いろんな儀式の間だけ父親もいて、それからひとりになった。父親は、どうしてもやらないといけないことがあると、またどこかへ行ってしまった。エナは、家に帰る意味がなくなったと感じ、周囲の大人たちにたずねて、家を誰かに売った。

 16になる頃、パーティの中で恋愛などのひと悶着があり、解散となった。パーティの仲間のことは好きだったが、関係はたしかにもつれていたので仕方ないとも思った。

 そして「エナ~師匠のこと」に続く。

アース(リンファ・マグノリア・エレクオーロン)

 種族:エルフ

 地の精霊の領域と重なるエルフの里(時の洞窟と呼ばれることで知られている)出身。両親ともにエルフ族。

 ここのエルフ族は、時の洞窟にある巨大な琥珀の木々を守ることを自らに課している(精霊との契約のためかも)。

 アースも他のエルフ族と同じく、故郷で育ち、琥珀を守るために弓を握るようになった。

 

 幼い頃に、自らの固有精霊名「エレクオーロン《大地と時の歌》」を人に言ってしまったことがある。それからその”大層な固有精霊”をもつエルフとして見られるようになり、不快な違和感を感じるようになる。アース《大地》の呼び名もこのことからはじまったよう。

 故郷では、どちらかといえば内向的なアースだが差し障りなく過ごせていた。が、特になにかあるわけでもなく、いつしかなんとなく、馬車に乗って出て行って旅が始まる想像をするようになる。

 そして、「R・E・Asterisk」に続く。

 ちなみに、リンファは「蓮」、マグノリア(母親の真名)は「木蓮」から。

 エレクオーロンは、古代ギリシャ語のエーレクトロン「琥珀」(こすると電気を発生する)、オーローン「歌」から。

ニオ(エストレア)

 種族:エレクトドラゴン《琥珀竜》

 エルフとヒューマンの戦争の最中生まれる。妹はクローリス。戦争の終盤、流れ弾か、わざと狙ったのか不明だが、兄妹ともに攻撃に巻き込まれて重症を追う。どちらも助からないかと思われるほどだったが、エストレアだけ助かる。どういうことかと周囲を調べると、明らかに誰かが魔法を使ったようなマナの痕跡があった。

 鬱々と、ただ生命活動を絶やさずにいたが、それからなぜだか、些細なことから生命の危険を感じることまで、様々な不運が起こった。なのに、死なない。エストレアはふと思い至る。知識として知らない、不死呪いと、もしかしたらその反動だろうか、不運呪いが、かかっているのかもしれない、そうに違いない、と。そうでなければ説明がつかない。

 ”そうだとすれば、なぜそうなったのか。

 これほどの呪いをかけた魔法使いは何者なのか、どこにいるのか。

 妹を殺したのは、その魔法使いなのだろうか。

 もしかしたら、こんな呪いをかけたのは、憎しみの輪廻を作りあげ、より強大な悪魔をつくりだすためのものではないのか。

 

 ならば自分が悪魔になって、その魔法使いを追い詰め、いたぶり、殺してやろう。”

 

 そう思うと、苦しみの暗闇は居場所に変わり、心は穏やかになった。

 エストレアは人に紛れる術を身に付け、復讐のために動いた(若いエストレアが大きく動いて秩序を乱せば、他の竜から粛清をくらうのは目に見えていたため、非常にゆっくりしか事を運ぶことができなかった)。

 

 無意識下で、自分が悪魔になることはできないと分かっていた。エストレアは竜族。

 かといって、そこらにいる悪魔と契約するのも下らないと思っていた。大悪魔との契約も頭をよぎったが、本能に等しい自分の芯のあたりに、大悪魔に手を出すことはしないという前提があった。竜の誇りがそれを許さない。また、それをすれば、エストレアは他のすべての竜どころか、天使族から粛清されることも分かっていた。

 戦争の頃、たくさんの悪魔がうまれたはずだった。あの悪魔たちがどこにいったのかと考えた。

 『西』に留まったものもたが、数十年『西』にいても、契約相手として釣り合うような悪魔はいないようだった。そもそも竜と契約する悪魔などいないに等しい。竜が強すぎて、対等な契約が結びにくい上に、他の竜からの粛清も考えられ、召喚に応じればそれが罠であった場合逃れることが困難だからだ。

 エストレアは、『北』へ飛んだ。

 力がある悪魔ならば、契約者がいなくても海を渡ることがでる。『西』に留まるよりも、新たな地で契約者を探すほうが効率的だ。それに『南』にはドマール族がいるので、『南』よりは『北』に向かうほうが危険が少なくてすむ(渡った直後、力を蓄える前にドマール族と出会ってしまえば、悪魔は滅ぼされてしまうだろう)。

 『北』に渡り、旅をし、各地で悪魔の召喚を行った。

 数年後、魔法国で召喚を行ったときに、エストレアはついに、契約相手と出会った。

 悪魔シュライン。

 残忍な復讐に手を貸せと、エストレアは言う。シュラインは条件を述べる。

 シュラインは、ある人物に会うことができないという。例え復讐相手がいたとしても、近くにその人物がいたならば機会を改めろというほどだった。

 ”私はお前の、失って沈んだその心に惹かれている。強く惹かれている。私は、お前の復讐の理由である死者には嫉妬しない。私は、お前だけを、何よりも愛することは、できない。だが、お前は私の想いを超えて、私だけを愛せよ”。

 

 狂おしい独占欲がエストレアにまとわりついた。自分勝手なシュラインの条件は、シュラインほどの悪魔にしては緩い気がした。

 エストレアは、ある人物に会えない、というところは約束し、”私だけを愛せ”という点は、”出会ったばかりで、約束しようがない。努力はしよう。とはいえ、一番近いのはお前だ。俺は人は好かん。どうやっても、お前とは、一番深い繋がりをもつこととなるだろう”、とだけしか応えられなかった。それでもシュラインは条件を飲んだ。ただし、「そうならなかったときには、私はあらゆる方法でお前を独占するだろう」と警告は発した。

 復讐相手をあてもなく探しながら、エストレアは”力”を探していた。シュラインがそれを望んだからだ。

 竜には十分に力はあり、魔法の力でエストレアに敵うものは、同じく竜族か、天使族くらいなものだ。

 シュラインにも、十分力があるように思えた。なぜ力を求めるのか尋ねると、こんな話をした。

 魔力でもない、武力でもない、我らが得ることが可能なのかも分からない、ただ、誰かに手に入れられると非常に厄介な力が現れたのだと。消してしまうか、得てしまいたいと。あわよくば、復讐の道具として利用してしまおうと提案もした。

 その力は、ただの魔力ではなく、魔力を増幅させるものらしい。そして、国内という比較的近くにいるという。まだ気がついた悪魔は多くないとはいえ、シュラインほどの悪魔になれば気がついていておかしくなかった。つまり、シュラインが目の敵にしているリューノンという悪魔も。

 

 ならば殺してしまえばいいではないか。力を消滅させてしまえばいい。

 

 軽い気持ちで提案すると、シュラインは、葛藤するような気持ちでこう言った。

 

 出来なくなってしまった。

 

 そうしたいのは山々だが、と、どこかにそんな気持ちがあった。どうしても出来ない理由を、シュラインは話さなかった。

 シュラインが以前共にいた変身術士が”力”をもつ者と仲間の関係になってしまったから、殺せば変身術士が悲しむから、そんな”離別を与える”ことは悪魔シュラインの性質に反する上、変身術士を悲しましませるとわかっていながら行うなど、出来なかったのだ。

 具体的な理由はエストレアには教えられなかった。しかし、どうしても出来ないのだと、それだけは伝わりました。なにか続いてしまう契約をしたのだろうかとエストレアは推測し仕方なく、頷いた。

 仕方がないので、力に近づく悪魔を牽制することにした。

 どうせ当てのない旅だった。

 そして、「R・E・Asterisk」へ続く。

​ ちなみに、ニオというのは、咄嗟に名乗らなければならない場面で、シュラインに「カプリコルニオ《羊》(シュライン的には竜のエストレアの角が羊に似ているらしい)」と提案されたが聞き取れず、咄嗟に「ニオ」と名乗ったため。

​※ちなみに、不死呪いをかけられた事実はありません。不運も不死もニオの思い込み。REAⅧで解説予定

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