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数年前に初めて、恐怖するほどリアルに想像することに成功した。
その時、1、2年前に生み出したとあるキャラクターが、私の心に浮かんだ。
セルヴァ、というキャラクターだ。
彼はエルフで、当時書いていた物語では400年ほど生きてきた設定だ。根暗で、優しくて、回復術士だからたくさんの仲間の命を延ばすことができて、「たとえ一瞬でも、それを無意味とは思わない」と言い切れる人だ。
そんな彼がふっと心に浮かんだ。
不思議なくらい鮮明だった。
なんとも言えない悲しい表情をうっすら浮かべて、私を真っ直ぐ見つめた。
「あなたまで 死ぬのか」
*
セルヴァはこうも言った。
「私は…あなたよりは 先に死ぬものだと 思っていたのに」
最期に言ってあげたいことがある。
セルヴァ…私も、そう思ったこともあった。
私はあなたたちを 創造してしまったあなたたちを、
存在させずに 死にたくなかった。
私が死んでも、あなたたちは 生きている。
私が生み出した、すでに行ったそれはともかく、
あとは、私という運命から解き放たれて、生きて
あなたがこれまでどれほど失ったか知っているから、
申し訳ない気持ちもある。だけど、あなたが 在ってくれて、
私は嬉しいよ。”時を知るもの-エルフ”のセルヴァ
、
私は今死ぬ。それは、あなたたちの在る世界の全ての時。
私はあなたが死んだ後の未来まで創造して、あなたの死んだ後の世界でも死ぬし、
今、あなたより先に死ぬ。
これが、創造主の死が、あなたたちの消滅にならないためには、
私があなたたちを形にするしかなかった。あなたは生き続ける。
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