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同盟診断

 『琥珀の盾』『緋炎の月』『旋風』『空の鈴』『中央騎士団』。

 冒険者であるあなたは、どの同盟に所属している?

15点以下

 

20点以下

 

『 旋風 』(ロード:アルル、サブロード:ケイン)1510年創立

「経験も報酬も、なかなかいい依頼だったわね。あなた、これでそろそろ呪術耐性の防具を整えたら?」

 

 幹部(ガーディアン)の証として冒険者証に埋め込まれる宝石は、トルマリン(パライバトルマリン)。

 メンバーは、ロードとサブロード、そして、ガーディアンが3人程度。それが常であるこの同盟。少数精鋭で特殊な依頼もこなせば、広域公募をかけて冒険者や戦士たちを募い大規模討伐もこなす。

 加入時から薄々感じていたが、アルルは見た目と中身が違うのだ。外面がいいのだ。外出すれば常に敬語だが…。

「なに?」

 なんでもない。

「そう。例の件、来週あたり解決していなかったら、依頼主を訪ねてみましょう」

 さっぱりしてるもんだ。

 『旋風』は城みたいな同盟だ、って言われる。戦闘が鮮やかだからだ。だけど、それだけじゃない。普段もそうなんだ。

 見た目と声で騙しながら実はクールで直球なアルルを、サブロードがまるで翻訳するようにソフトに言い換える。ガーディアンたちはほどほどにボケと突っ込みの属性をもつ。

 ここには不思議なほどの安心感がある。『旋風』は自由に、ただしアルルの意向重視で依頼をこなす。国外にもよく行く。アルルはなんだかんだ、こちらのことも考えて行動してくれるから、大事なところを害されることがない、安心できる直球だ。それに、ちょっとしたことにもお礼…というか、行動で返してくれる。

 だから公募で人が集まるのだろう。

 一番の理由は「報酬が保証されている」からかもしれないけれど。

 

 入りたくても入れない『旋風』。アルルが声をかけない限り、この同盟には入れない。アルルの本性を知って幻滅せず、本性だと思ったその奥に思いやりを見出して、気楽に付き合い、冷静な判断と実力でしっかりアルルを守って戦える。

 きっとそれが出来るから『旋風』なのだ。…あれ…なんか結局全部アルルの良いようになってる気がする。

16~24点

21~27点

 

『 中央騎士団 』(ロード:ラティス、サブロード:フィリア)900年代、冒険者制度が確立する頃、エトラニア国と同時に創立。

「おお、ちょうど良いところに戻ったのう!ちょっと隣国まで半月まんを買いにパシられてくれぬか?ははは、冗談じゃ。

 国境付近で討伐依頼じゃ。戻ったばかりですまぬが、行ってくれるな?」

 

 幹部(ガーディアン)の証として冒険者証に埋め込まれる宝石は、オブシディアン(黒曜石)。

 創立時に国と契約し、それからギルド登録・精霊立会人の下での創立宣言を行った同盟。普通は、国契約よりも精霊立会人が先だ。『騎士団』は、初代ロードが王と友であり、エトラニアが誕生した時、それを守るものとして創立された。元祖冒険者同盟ではあるが、いきなり特殊な同盟なのだ。

 長寿同盟だが、サブロードは必ず、ヒューマンや小人、ミユやラークといった、長寿ではない種族だ。ロードは初代から数人変わっているが、サブロードに新しい風を取り入れてもらうという考えは同じらしい。ただし、やはり幹部には長寿種族が多めだ。そして変人も多めだ。

 国契約の同盟だから、冒険者なのに収入は安定している。ただし、自分勝手に遠くに行って依頼をこなすことはできないし、国からの依頼をなによりも優先しなければならない。冒険者というよりもまさに国の騎士団なのだ。冒険、というより、仕事、だ。目の前の事件に手を出せない時には、どうして自分は冒険者なんかやってるんだっけ?と自問自答してしまうこともある。だけど『騎士団』は必要で、大規模討伐も国と騎士団で行って、民を守ることができる。

「なんじゃ難しい顔しよって。悩み過ぎると馬鹿になるぞ!楽しめ!」

 この癖者ロードについていくのはなかなか大変だが、指揮は頼もしいのだ。ついていけないテンション・言動もあるが、平凡なサブロードに共感できるのでなんだか救われる。

25~35点

28~38点

 

『 緋炎の月 』(ロード:クレィニァ、サブロード:ココルネ)1642年創立

「今回の報酬だ。多くなどない。よくやってくれたからな。受け取ってくれ。そろそろ新しい装備が買えそうか?」

 

 幹部(ガーディアン)の証として冒険者証に埋め込まれる宝石は、レッドスピネル。

 悪魔討伐、魔物(特に大型や、魔法を扱うもの)の討伐依頼が優先的に回ってくる同盟。悪魔討伐がメインの同盟だから、それを目的にする冒険者が集まりやすい。そして、安全のために、加入者のレベル制限をかけている。中堅者以上しかいない同盟だ。200名を超えるメンバーがいるが、武器屋、宿屋、情報屋といったサポーターメンバーは少なめ。冒険者がメンバーの大半を占めている。

 討伐作戦のときには、ロードの指示が絶対だ。いくら悪魔を斬りたくても、作戦を外れろと言われれば外れなければならない。

普段は、作戦のときの厳しさを知ってしまうと、ゆるい。ロードや、特に上位の幹部は見た目に反して気さくで話しやすい。それにお茶目だ。

 メンバーの多くが悪魔を憎んでいる。普段、また、戦闘中にそれを露にすることはない。ただ、言動の端々にそれが見える。一方でロードや幹部は、悪魔を憎んでも相手の糧になってしまうだけだと理解している。それをメンバーに仄めかすことがある。

 上と下とでの温度差があるが、なんとも…これは仕方がないものだろう…。悪魔を憎みたいわけではなくて、憎まざるを得ない者だっているのだから。

 ああ、ロード、葡萄いりますか?

「ふむ、頂こう」

 ロード・クレィニァは空人、それもスザクだ。地上にいるスザクなんて、うちのロードだけじゃないだろうか。変身術で人の姿をとっているが、食事は生ものを好んでいる。特に葡萄をあげると、いつもはすまし顔のロードが幸せそうな顔をするのだ。

36~46点

39~47点

 

『 琥珀の盾 』(ロード:エルミオ、サブロード:フィオ、セル) 1314年創立

「お疲れ様。いつの間にか、腕を上げたね?来てくれて助かったよ。またよろしく」

 

 幹部(ガーディアン)の証として冒険者証に埋め込まれる宝石は、アンバー(琥珀)。

 ストイックなメンバーが多い印象だったが、入ってみれば思ったほどでもない。癖の強いやつが多く、また、長寿同盟だけあって必然的に長寿種族・高レベルの幹部が多めだ。といっても、ゴブリン、ドワーフ、ヒューマンなどの種族も幹部となっている。

 200名を超えるメンバーがいるが、そのうち冒険者は180名ほど。あとは武器屋や宿屋、情報屋などがサポーターとして所属している。戦闘以外もよくこなす、言ってしまえば”なんでも屋”のような同盟だが、だからこそ冒険者以外のことも知る機会が多い。そしてサポーターがいる町では破格の値段でご飯が食べられたり、スペルストラップの魔法補充ができたり、色々お得だ。そう、冒険者割引よりもお得なのだ。

 大規模な作戦などがない限り、基本的に個人で動ける。一人でこなすには厳しい依頼も、声をかければ誰かしら来てくれる。

 モラルと思いやりを持っている限り、自由度は高い。

「討伐依頼だ。今から西へ向かうけれど、来てくれるかい?」

 ロードや幹部からは、それなりに声がかかる。タイミングと、依頼のレベルが合っていれば、特にロードは忘れずに声を掛けてくれるのだ。

 ただ、フリーの冒険者よりはマシとはいえ収入は安定しない。護衛や薬草取り、はたまた畑仕事手伝いや荷物運びなんていうバイトも、ちょこちょこやる。魔法が使えるなら、冷凍の魔法や重さ軽減の魔法、それに魔法屋のバイト、色々あってやりやすい。

 冒険者やってるなぁ、という実感もあるし、人の助けになっている実感もある。暇なときは暇だが、メンバーが楽しいからあんまり暇じゃない。

47点以上

48点~
 

『 空の鈴 』(ロード:アイカ、サブロード:レイキ)1770年創立

「お疲れ様~!なんとかなったね。あっ、あのお店で美味しいもの食べて行かない?お疲れ様会ってことで!」

 

 幹部(ガーディアン)の証として冒険者証に埋め込まれる宝石は、ブルートパーズ。

 初心者冒険者の学び舎的な同盟(を目指して創立したばかりの同盟)。『琥珀の盾』出身のロード・サブロード。駆け出しなので『琥珀の盾』メンバーの力もたまに借りながら、まだまだこれから作り上げていく段階だ。

 まずはギルドで依頼を受けて、少数・幹部しかいないメンバーたちで実績と信頼を作っていくことに。

 初心者は過ごしやすい雰囲気の中で学び、ベテランは幹部として同盟創りに尽力、あるいはあたふたするアイカを眺める。レイキの突っ込みに乗って一緒に突っ込んだり、アイカのボケに乗っかってみたり。

 『盾』の人に運営ノウハウを習いつつ、仲の良さでしっかりコミュニケーションをとって、『空の鈴』は楽しくなんとか回る。

「ゆっくりでも大丈夫!一緒に冒険者やっていこうね」

 ”初心者の門出同盟”を目指して、依頼に勧誘に雑務に、分担しながら支え合いながら進む。

 

 

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